4つの研究力
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長年のビタミン研究から
コエンザイムQ10の量産化成功へ
鈴木梅太郎博士との共同研究から開始したビタミン研究の積み重ねが、世界的に注目を集めていたコエンザイムQ10合成の成功につながります。
コエンザイムQ10は、すでに生産を始めていたビタミンE、K1と化学構造が部分的に類似していました。そのため、これまでの技術と経験を生かせば、合成は不可能ではないはず――。そして、量産化のプロジェクトがスタートします。
しかし、コエンザイムQ10の合成は予想をはるかに超え、困難を極めました。日夜研究を続けていたある日、ヒントは突然見つかります。研究者の一人がビタミンEを合成するため、桑の葉から葉緑素を抽出していたとき、コエンザイムQ10の構造の一部が似ている物質を発見したのです。さらに研究を重ねた1967年、約10年の年月を費やし、ついにコエンザイムQ10の量産化製法の開発に成功しました。
ビタミンE工場
コエンザイムQ10製造能力増強始動式
桑の葉がヒントとなり、コエンザイムQ10の量産化に成功
画期的な医薬品として
役立てられてきた
今でこそ健康食品として有名となったコエンザイムQ10ですが、医薬品ではユビデカレノンという名称で用いられていました。ユビデカレノンを主成分とする心臓薬は、心臓の収縮に必要なエネルギーを増やすことで低下した機能を改善する、従来の心臓薬とは異なる新しいタイプのものでした。この心臓薬は画期的な医薬品として世界の医薬品市場で使用され、役立てられました。
桑の葉がヒントとなり、コエンザイムQ10の量産化に成功
パワーサプライ一粒一粒の配合がビタミン研究の成果
ビタミン研究の成果はリブロンを代表する商品の一つ「パワーサプライ」にも表れています。
「パワーサプライ」の特長の一つが配合量。「日本人の栄養所要量」をベースとし、主要ビタミン類は基準の100%以上、重要な水溶性のビタミン類は特に多く配合しています。これは不足を補うのではなく、健康に貢献する十分な量を摂取するという考え方によるものです。
もう一つの特長が、複数の成分が数粒、一つのパックに入った形態であること。各ビタミンには「相性」があるため、相性のいい成分を組み合わせて、一粒一粒を設計しています。そうすることで、配合した各成分の品質(含量・機能)を保持し、最大限の効果を発揮できる形態にしているのです。
長年ビタミン研究を重ね、成分を知り尽くしていたからこそ、たどり着いた成果。日清ファルマならではの商品としてロングセラーになっています。