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遊び心を奏でるアイデア集暮らしっく

暮らし(kurashi)+シック(chic)

遊び心のある粋な暮らしを。季節や暮らしのモノ・コトをもっと楽しむための知恵・知識、アイデアを提案するエッセイです。

2021年7月のテーマ

気分は華氏32度…夏、〝冷〟へのいざない

気温がぐんぐん上昇する季節、
「華氏32度」すなわち「摂氏0度」―
「氷点」の趣を食卓にも取り込んでみませんか?

「解」〝暑さ〟を解かす〝冷〟の味わい

夏は涼しく冬暖かに―。
つまり涼しさを演出して、いかに快適な時間・空間を提供するか。「利休七則」のこの一節は、現代でもよく知られるところです。

千利休のその哲学にならい、物理的な〝冷たさ〟を求めるだけでなく〝涼感の演出〟を大切に。さらに暑さが厳しい現代の日本で〝涼〟を感じさせるために、〝涼〟よりつめたい〝冷〟を…。
そこで考えついたメニューが、氷を思わせる涼やかなガラス器に盛りつけていただく「彩り野菜のピクルス」です。

はまぐりが運ぶ春の香り

材料

きゅうり
可食部100gあたり14キロカロリーと、低カロリー。お酢との相性が良く、ピクルスや酢の物によく使われるおなじみの夏野菜です。
玉ねぎ
特有の香りのもと「硫化アリル」の有用性が注目されるほか、「イヌリン」をはじめとする食物繊維も豊富です。
パプリカ
赤のパプリカはβカロテンが豊富で、含有量はピーマンの数倍に及ぶとか。黄色はビタミンCの多さが特徴です。
ミョウガ
食欲をそそるスッキリとした香りのもとは「αピネン」、外側は赤紫の色素「アントシアニン」の一種の色です。
新ショウガ
みずみずしい食感・風味を楽しみながら、「ショウガオール」などショウガ特有の成分を摂ることができます。

作り方

  1. それぞれの野菜を食べやすい大きさに切って、軽く塩をしておきます。
  2. ピクルス液を作ります。
    酢と水を1:1で合わせ、さらにお砂糖をプラス。お砂糖がとける程度に軽く加熱します。
  3. ピクルス液の熱が取れたら野菜を浸します。
  4. ローリエ、タカノツメ、ブラックペッパー、レモンの輪切りなど、お好みでプラスして、冷蔵庫へ。

ひと晩置いたピクルスはシャキッとした野菜の食感が生きていて、サラダ感覚で食べられます。
さらにもうひと晩漬け置くと味がよく染み、また違ったおいしさが楽しめます。

ピクルス液もたっぷり張ると、みずみずしさを演出できます。
サッパリとした酸味、キリッと引き締まるスパイスの風味、そしてそれぞれの野菜が持つ自然な味わい…。味覚からも涼風を運んでくれるピクルスの完成です!

お手製ピクルスをタルタルトーストにアレンジ

ピクルスのアレンジでポピュラーなのは、タルタルソースへの転用。
野菜を小さく切って、マヨネーズや粗めのみじん切りにしたゆで卵とまぜれば出来上がりです。
エビ、魚、チキンなど、フライとの相性は抜群。さらに、いろんな食材にトッピングしてこんがり焼き上げるお料理にも使ってみてください。香ばしさが加わって、格別のおいしさです。

お揚げさんでもう一品

今号の誌面では、おうちで楽しむ「バニラアイス」についてもご紹介しました。

バニラアイスの魅力はシンプルな味わい。
さらにフルーツやチョコ、抹茶、リキュール…と、お好みのテーストを加えてアレンジしやすいこと。

写真は、焼酎にパイナップルを漬け込んだ「パイン酒」をかけたバニラアイス。
アイスに添えた琥珀色の餡は、漬け込んだパイナップルを煮詰めて作った「パイン餡」です。
お酒をかけると、アイスがとろ~りと溶けて混ざり合い、とっても大人な味わいになりました。

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《錫の酒器》

まろやかな冷酒を楽しむ

《接触冷感素材》

綿100%のアイスコットン

表紙の樹

あがりこ大王
(秋田県にかほ市)

むかし、北国の豪雪地帯ではそりを使って木材を運ぶために、積雪を待って伐採が行われてきました。雪の中の切り株は伐られたあとも静かに生き続け、断面の傷を修復するために瘤をつくり、新たに枝を出して、やがて「あがりこ」と呼ばれる特異な樹形に成長していきます。
出羽の霊峰・鳥海山北部の自然休養林には、あがりこ樹型のブナの林が広がっています。その中の最大級の樹が、「あがりこ大王」。高さ約25m、幹周り7.62m、推定樹齢300年のブナの古木です。

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