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遊び心を奏でるアイデア集暮らしっく

暮らし(kurashi)+シック(chic)

遊び心のある粋な暮らしを。季節や暮らしのモノ・コトをもっと楽しむための知恵・知識、アイデアを提案するエッセイです。

2021年11月のテーマ

〝北欧スピリット〟を暮らしに 和みのスウェディッシュ・スタイル

スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなどで
はぐくまれてきた「北欧デザイン」は近年、日本でも人気です。
特にこの季節は、ノーベル賞の授賞式が執り行われる
「スウェーデン」に注目が集まります。

そこで、長く現地に暮らす人や“スウェーデン通”の人の声から
こころ温まる暮らしのスピリットを集めてみました。

スウェーデンの“デザイン”

スウェーデンはスカンジナビア半島東岸、バルト海に面したタテに長い国。その国土の最南端でも、北海道の宗谷岬より高緯度にあり、北部は北極圏に達します。夏場は夜になってもなかなか日が沈まない「白夜」の季節ですが、冬場は日照時間が短くなり、寒い屋外を避け、人びとは長い時間を家の中で過ごします。それが、愛着を持って長くつき合えるデザインをはぐくんできたのです。

スウェーデンの“住”

スウェーデンの田舎でよく見かけるのは、森をバックにしてポツンと立つ、赤茶色の木の家。それはまるで童話の世界…。

この赤茶色は「酸化鉄」の色。日本で言うところの「弁柄」です。
スウェーデン中部の「ファールン」というところには大きな銅山(世界遺産に登録されています)があり、銅を取ったあとに残る酸化鉄を、木材に塗り込むことで耐久性を上げ、住まいを守るのに活用してきたのです。
この独特の赤茶色、スウェーデンでは「ファールンの赤」を意味する「ファールロッド」と呼ばれています。

さてその家の中では、日本と同じように、入り口で靴を脱ぎます。ちょっと親近感がわきますよね。
寒い国ですが、冬場は暖房がきき、お部屋はポカポカ。その暖かい住空間で人びとは靴を脱いで、リラックスして過ごしています。

スウェーデンの“食”

「シュールストレミング」という缶詰があるのをご存じですか。
ニシンの塩漬けを缶の中で発酵させた、「世界一くさい」とされる食べ物です。そのにおいは、焼きたての「くさや」の約6倍、納豆の10倍以上。
このシュールストレミングのおもな生産国がスウェーデンです。

スウェーデンは寒い季節が長いので、歴史的には「食料の保存」が食文化のひとつの軸となってきました。
野菜は酢漬けに、果実はジャムに、そして魚は塩漬けに。それらを使い、工夫して、バラエティーに富んだごちそうを生み出し、楽しんできました。
もちろん、かのシュールストレミングにも、おいしく食する方法があるようです。

この国で、長く主食とされてきたのが、保存のきく「ジャガイモ」。またスウェーデンには「自然享受権」という権利があって、だれでも自由に森に入って、夏場はベリー類を摘んだり、キノコを採ったりできます。そのベリーはジャムにして、クッキングに使われてきました。

「リブロン」誌面では、この「ジャガイモ」と「ジャム」を使ったスウェーデンの家庭料理を紹介。
ぜひご家庭でも作って、スウェーデンの味をお楽しみください!

ジャガイモ、玉ねぎ、ウインナーなどをバターで炒めた「ピッティパンナ」

ミートボールに、甘酸っぱいリンゴンベリー(こけもも)のジャムをたっぷりつけて

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《コーヒー》スウェーデンのコーヒータイム“Fika”

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表紙の樹

安国寺のドウダンツツジ
(兵庫県豊岡市)

「ドウダンツツジ」は、ツツジ科ドウダンツツジ属の低木で、庭や公園などにもよく植えられています。漢字で書くと「灯台躑躅」。「灯台」は三本の脚を結んだ昔の照明具で、この樹の枝先が灯台に似ていることがから名づけられたとされます。
晩秋の燃えるような紅葉は、ひたすら美しく鮮やかです。豊岡市の「安国寺」(但馬安國禅寺)は、ドウダンツツジの紅葉が見ごろとなる11月に本堂を開放。額装された巨大な名画のようなその景色を鑑賞に来る多くの人を迎えます。

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